深夜の古本屋とその店主が紡ぐ言葉の世界
深夜に息づく古本屋の記録
尾道の狭い路地にひっそりと存在する古本屋『弐拾dB』。その開店時間は深夜23時——静寂の中で本を巡る時間が始まる。
この店を営む藤井基二が、自らの古本屋生活を綴った随筆集『頁をめくる音で息をする』(本の雑誌社)。本書は、Web本の雑誌での連載をまとめるとともに、2021年の日記や書き下ろしの新規エッセイを加えたものだ。さらに、今の尾道の息遣いを感じるカラーグラフ32頁が収録されている。
藤井氏は「古本屋を始めてこの四月で五年が経つ。古本を買い取り、古本を売り、なんとか生きている。学生時代に願ってやまなかった暮らしをそれなりに謳歌してしまっている。逃げ続けていたら、そこに本があった。」と語る。
彼の言葉の端々から、本とともに生きる歓びが滲み出る。深夜、静かな時間に開かれる本と、それを手にする人々。この一冊は、そんな空気を余すところなく捉えている。
古本の香りがする書店で深夜に息をする
古本屋の店主が綴る、尾道の路地裏での日々
「頁をめくる音で息をする」藤井 基二(本の雑誌社)開店時間は深夜23時。尾道の路地で古本屋弐拾dBを営む店主の初の随筆集。Web本の雑誌の同名連載に二〇二一年の日記と新規エッセイ書き下ろし。今の尾道を知るカラーグラフ32頁。
カバー装画 保光敏将
古本屋を始めてこの四月で五年が経つ。古本を買い取り、古本を売り、なんとか生きている。学生時代に願ってやまなかった暮らしをそれなりに謳歌してしまっている。逃げ続けていたら、そこに本があった。